ふるさと納税の使い道の選び方――自治体の報告を読み比べてみた

ふるさと納税を続けていると、返礼品よりも「寄附金が何に使われるのか」のほうが気になるようになりました。以前の記事でも、使い道を優先して選んでいることに触れました。

今回は、使い道をどう選んでいるかを整理したうえで、3つの自治体の公式ページを読み比べて、気づいたことを書いておきます。公開されている情報の整理であり、特定の自治体をおすすめするものではありません。

使い道を、どこで選んでいるか

使い道を選ぶときに見ているのは、ポータルサイトの自治体ページに記載されている使い道と、活用報告です。

ポイント目的で寄附したことはなく、2025年10月にポータルサイトによるポイント付与が禁止された後も、選び方は特に変わっていません。

選ぶ使い道は、子育て・教育が多いです。OECD(経済協力開発機構)の「図表でみる教育2025」を紹介した報道(ReseEd)によると、初等教育から高等教育までの教育への投資は、対GDP比で日本が3.9%、OECD平均が4.7%とされています。対象年や定義の詳細は、OECDの報告書でご確認ください。

こうした国際比較を知ったことと、少子化対策に少しでも貢献したいという気持ちが、子育て・教育を選ぶ理由になっています。

3つの自治体の活用報告を読み比べる

寄附した後に活用報告を見ることがありますが、丁寧に説明している自治体から、報告が見当たらない自治体まで、さまざまです。

そこで今回は、地域も公開の仕方も異なる3つの自治体の公式ページを読み比べてみました。いずれも2026年10月時点で確認した内容です。

上士幌町(北海道)

町の公式特設サイトでは、「町におまかせ」と、子育て・教育など5つの具体的な使い道の、計6つから選べます。「町におまかせ」を選んだ場合は、子育て支援と高齢者支援の2つの基金に半分ずつ積み立てる、と説明されています。

同じページで、令和7年度の使い道別の寄附件数と金額、2つの基金の残高(令和7年度末時点)、令和8年度の充当予定事業(一部抜粋)まで見ることができます。

寄附した後に「何に使われる予定か」まで、一つのページで追えるのが特徴だと感じました。

高山市(岐阜県)

高山市の応援メニューは、令和8年度は10区分です。区分ごとに具体的な事業が挙げられていて、たとえば給食センターの整備(令和12年度供用開始予定)や新野球場の整備(令和9年度供用開始予定)のように、供用開始の予定年度まで書かれているものもあります。

寄附金は、1月から12月までの分から経費を差し引いた額を「飛騨高山ふるさと基金」に積み立て、翌年度の事業に充てる仕組みとされています。応援メニューのページにも、令和8年度の寄附金は令和9年度以降の事業に活用する、という説明がありました。

実績は、別の「寄附金の活用事業・受入額実績」のページに、年度ごとの充当事業や、応援メニュー別の寄附金額のPDFがまとめられています。

また、応援メニューのページには、新年度の初めは、寄附サイトで選べる応援メニューが切り替え前のままの場合がある、という注記がありました。

守山市(滋賀県)

守山市の使い道は、8つの区分に加えて、事業単位で指定できるのが特徴です。たとえば「育英奨学事業」や「ホタルの保全に関する事業」のほか、学校を指定する事業や、市民活動団体を指定する事業もあります。

寄附金は、いったん「ふるさと守山応援基金」に積み立て、事業に充てるときに取り崩す、と説明されています。年度別の報告書(PDF)が平成20年度から令和7年度まで公開されていて、寄附件数や寄附額、充当額などはそちらに記載されています。

令和6年度の報告書には、令和5年度の寄附金を、返礼品代などの経費を除いて令和6年度の事業に活用した、という記載もありました。

読み比べて気づいたこと

3つの自治体を並べると、次のような違いがありました。

自治体選べる区分実績の置き場所基金の説明
上士幌町町におまかせ+5つの使い道同じページに、使い道別の件数・金額と充当予定事業2つの基金の残高を掲載
高山市10の応援メニュー(具体的な事業つき)別ページに年度別のPDF翌年度以降の事業に活用すると説明
守山市8区分+事業・学校・団体の指定同じページに年度別の報告書(PDF)積み立てて、充当時に取り崩すと説明

読み比べてみて、使い道を選ぶときに確認しておくとよさそうだと感じた点が、4つあります。

  • 選べる粒度:分野で選ぶのか、具体的な事業まで選べるのか、学校や団体まで指定できるのか
  • 実績の置き場所:同じページに載っているのか、年度別のPDFを開く必要があるのか
  • 使われる時期:寄附した年に使われるとは限らず、基金を経由して翌年度以降に使われる場合がある
  • ページの更新時期:ポータルサイトの表示と自治体の公式ページで、更新のタイミングがずれていることがある

特に「使われる時期」は、読むまで意識していませんでした。

使い道から寄附先を探すには

ポータルサイトの中には、返礼品ではなく、使い道の分類から寄附先を探せる機能を持つところもあります。使い道を軸に選びたい場合は、こうした機能から探してみるのも一つの方法だと思います。

なお、控除額の上限や申告の手続きについては、ここでは触れていません。総務省のふるさと納税ポータルサイトや、利用するポータルサイトの案内でご確認ください。

住む・訪れる以外の形で地域と関わる「関係人口」という考え方については、関係人口について考えた記事で取り上げています。

調べてみて感じたこと

返礼品に比べて、使い道や活用報告は、あまり注目されないことが多いように思います。ただ、同じ「使い道」という言葉でも、書かれている粒度や報告の丁寧さは、自治体によってかなり違うことが、今回読み比べてみて分かりました。

寄附先を選ぶときに、返礼品だけでなく、報告の仕方も見てみる。そういう選び方も、あるのかもしれません。


参考

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