事業承継の次に見えてきた、商店街という面の話

以前、事業承継について書いたときは、後継者がいないという、一つひとつの店や会社の話として捉えていました。ただ、中小企業政策の勉強を続ける中で、これが個々の店の話にとどまらず、商店街という「面」全体の空洞化につながっているらしいことに気づきました。

空き店舗という数字

全国商店街振興組合連合会が中小企業庁の協力を得て実施した商店街実態調査(令和6年度)によると、全国の商店街の平均空き店舗率は約11%でした。商店街の景況について尋ねた設問では、約6割が「衰退している」または「衰退の恐れがある」と回答しています。

商店街が抱える問題としては、「経営者の高齢化による後継者問題」が最も多く挙げられていました。以前書いた事業承継の話は、まさにこの数字の内側にある出来事だったのだと、あらためて感じました。

空き店舗を活かす、いくつかの取り組み

専門家派遣型の支援としては、中小企業基盤整備機構による「中心市街地・商店街等診断・サポート事業」があります。オンライン相談や現地訪問による助言を、原則無料で受けられる制度です。

自治体単位でも、空き店舗への出店者に対して家賃や改装費の一部を補助する制度を、独自に設けているところが少なくありません。制度の内容は自治体ごとに異なるため、実際に検討する場合は、各自治体の商業担当窓口や商工会議所への確認が前提になりそうです。

デジタル化という、もう一つの課題

少し古いデータになりますが、令和3年度の同調査では、デジタルトランスフォーメーションに「取り組んでいない」と回答した商店街が86.4%にのぼるという結果も出ていました。IT関連の仕事をしている立場から見ると、商店街のデジタル化は、個々の店舗の努力だけでは進みにくい構造的な課題のように感じます。

同じく令和3年度の数字では、キャッシュレス決済の導入率も、店舗の50%以上が対応している商店街は21.9%にとどまっていました。IT導入補助金のような制度はあるものの、それを知り、使いこなすところまでの距離が、まだ大きいのかもしれません。

学習しながら見えてきたこと

中小企業診断士の勉強は、どうしても制度や数字を覚えることに意識が向きがちです。ただ、事業承継の記事を書いたことがきっかけで、商店街という切り口から同じ数字を見直してみると、点だった情報が、少しつながって見えてきました。

診断士としての助言ができる立場ではまだありませんが、学習を通じてこうした構造が見えてきたこと自体を、今回は記録しておきたいと思いました。

まだ、点をつないでいる途中

事業承継、商店街、デジタル化。それぞれ別の話のように見えていたものが、地方の現場では、同じ根っこでつながっているのかもしれません。

この先も、学習を続けながら、こうした点と点のつながりを、少しずつ書き留めていきたいと思っています。


参考 全国商店街振興組合連合会・中小企業庁「令和6年度商店街実態調査」 中小企業庁「令和3年度商店街実態調査」(デジタル化・キャッシュレス関連の数値)

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