『もう価格で闘わない』を読んで――6社に共通していた強い信念

中小企業診断士の2次試験の対策として、『もう価格で闘わない』(坂本光司著、あさ出版)を読みました。最後まで読み終えたので、印象に残ったことを記録しておきます。

この本を知ったきっかけは、「ふぞろいな合格答案」公式ブログの、2次試験対策のおすすめ本を紹介した記事でした。事例Ⅱの関連本として紹介されていて、価格競争に巻き込まれず、付加価値で勝負する経営は事例Ⅱに限らず大切だ、という趣旨だったと受け取っています。

どんな本か

電子書籍ストア(BOOK☆WALKER)の内容紹介によると、価格競争から抜け出す「非価格経営」について、価格競争から脱することに成功した24社の実例を通じて解説する本です。

「五方よし」の経営を軸にした、非価格経営を進めるための8つのポイントのほか、「ブランディング」「ニッチ市場」「差別化」「いい会社」という4つの章で、事例が紹介されています。

「五方よし」の考え方に共感した

本の中で軸になっている「五方よし」は、坂本氏が提唱している経営の考え方です。社員とその家族、社外社員(仕入先や協力企業などで働く人)とその家族、顧客、地域住民、株主の5者の幸せを実現することを目指すものとされています。

この考え方に、共感しました。

印象に残った6社

どの事例も印象的でしたが、製造業の事例には特に関心を持って読みました。製造業の会社を中心に、印象に残ったのは次の6社です。

  • シャボン玉石けん株式会社(福岡県北九州市):無添加石けんの製造・販売。同社の公式情報によると、1974年に無添加石けんの製造・販売に切り替えたとされています
  • 三和建設株式会社(大阪府大阪市):食品工場などの特定分野に強みを持つ総合建設業
  • 株式会社清川メッキ工業(福井県福井市):「機能めっき」の技術を用いた表面処理加工
  • 松川電氣株式会社(静岡県浜松市):電気工事業
  • 盛高鍛冶刃物株式会社(熊本県八代市):手打ちの包丁の製造・販売。自社のページでは、鎌倉時代の永仁頃にさかのぼる歴史が紹介されています
  • 沢根スプリング株式会社(静岡県浜松市):ばねの専門企業

各社の取り組みの詳細は、書籍や各社の公式情報でご覧いただければと思います。

6社の所在地は北九州市、大阪市、福井市、八代市とさまざまですが、うち2社(松川電氣、沢根スプリング)は同じ浜松市の会社でした。事業内容も地域も異なる中で、それぞれ価格だけに頼らない経営を続けている会社として紹介されています。

6社に共通して感じたこと

6社に共通して感じたのは、各社の強い信念です。事業内容は違っても、何を大切にして経営するのかが、はっきりしている会社だと感じました。

価格で競うのではなく、自社が大切にしたいものを軸に事業を続けることが、結果として価格以外の価値につながっているのかもしれません。

人財の重要性を、改めて

AIが注目される時代ですが、最終的には人財が大切なのだと、改めて感じました。技術やツールが進歩しても、それを使って何を実現するのか、誰のために事業を続けるのかを決めるのは、人なのだと思います。

価格ではなく、人や信念を軸にした経営は、事業を次の世代に引き継ぐ話ともつながっているように感じます。事業承継については、商店街と事業承継について考えた記事や、事業承継の相談先を整理した記事でも取り上げています。

試験勉強のその先で

診断士試験の勉強の一環として読んだ本ですが、中小企業の経営について考えるきっかけにもなりました。


参考

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