自治体のDXを無料で相談できる「地域情報化アドバイザー派遣制度」について

以前、自治体DXについて書いた際、デジタル人材不足という課題に軽く触れました。今回は、その課題に対する具体的な支援策の一つとして、総務省の「地域情報化アドバイザー派遣制度」を調べてみました。実務での利用経験があるわけではなく、あくまで報道・公開情報をもとにした客観的な整理です。

この制度は自治体からの申請が前提ですが、地域のDXに関心のある方であれば、立場を問わず知っておいて損はない内容だと思います。

制度の概要

地域情報化アドバイザー派遣制度は、総務省が平成19年度(2007年度)から実施している制度です。2026年度で20年目を迎えます。

ICTを活用した取り組みを検討している自治体等からの求めに応じて、総務省が委嘱した専門家(地域情報化アドバイザー)を派遣し、助言を行う仕組みです。制度開始当初は30名弱だったアドバイザーの数も、2026年度には219名まで増えています。

支援の内容と費用

対応分野は、自治体DXや防災、観光、農業、教育、セキュリティなど幅広く、近年は生成AI活用に関する相談も増えているとのことです。

費用は原則無料で、旅費・謝金は総務省が負担します。支援の上限は1申請あたり合計21時間以内(1日最大7時間)で、現地派遣は年3回まで、オンライン会議のみであれば時間の融通が利く形になっています。

申請から派遣までの流れ

利用の流れは、おおむね次のようになっています。

  1. 地域の課題解決のためにICT活用の助言を求める団体が、事務局に申請する
  2. 総務省が申請内容を審査し、派遣の可否を決定する
  3. 決定したアドバイザーが、現地訪問またはオンラインで支援を行う
  4. 実施後、報告書を提出する
  5. 1年後にフォローアップ調査が行われる

申請できるのは地方公共団体が中心ですが、NPOや大学、商工会議所なども、地方公共団体と連携する形などで利用できる場合があるようです。2026年度は4月27日から12月18日まで、複数回の期別締切を設けて申請を受け付けています。予算の上限に達すると、その年度の募集が早期終了することもあるとのことなので、検討している場合は早めの確認が良さそうです。

自治体職員以外の関わり方

申請できるのは主に自治体ですが、前述の通り、商工会議所・商工会が連携する形での利用も可能なようです。1次産業や製造業の現場でICT活用に関する困りごとがある場合、自分で直接申請するのではなく、地元の自治体や商工会議所にこの制度を伝えてみる、という関わり方もありそうです。

農業や教育、セキュリティなども、地域情報化アドバイザーが対応してきた分野に含まれているとのことなので、まずは自治体側の担当窓口に、こうした制度があることを知らせてみるところから始められるかもしれません。

あわせて知っておきたい関連制度

総務省には、この派遣制度の入り口として位置づけられる「地域社会DX推進パッケージ事業」という枠組みもあります。DXをどう進めればいいか分からない段階向けのコースと、課題をある程度特定した上で計画を立てたい段階向けのコースがあり、段階に応じて支援を選べるようです。

以前の記事で触れた、中小企業基盤整備機構の「中心市街地・商店街等診断・サポート事業」もそうですが、外部の専門家に相談できる無料の窓口は、思っていたより複数用意されているようです。

調べてみて感じたこと

自治体DXの記事を書いたときは、人材不足という課題を漠然と捉えていましたが、今回のように具体的な制度を調べてみると、外部から関われる形はすでにいくつも存在していることが分かりました。

制度の詳細や申請期間は年度ごとに変わる可能性があるため、実際の検討にあたっては、総務省の公式ページで最新の情報を確認していただくのが確実だと思います。


参考

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